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コールベッドメタンお勉強#2

閉山”夕張炭鉱に天然ガス田が存在!炭層メタンに世界が注目
★2013年 日本は資源国になる!!
2013.01.16
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CBMを取り出すポンプ。二酸化炭素を送り込むことで効率がアップする
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北海道夕張市。かつては炭鉱の街として栄えたが、安い海外炭との競争や石油へのエネルギー転換の影響で次第に衰退し、’90年にすべての炭鉱が閉山。基幹産業を失った市は、’07年に財政破綻した。

そんな「終わった」はずの炭鉱に、世界から注目されている資源が眠っているという。北海道大学大学院工学研究科で資源システムを研究する大賀光太郎助教は次のように説明する。

「その資源とは、炭層メタン(CBM=コール・ベッド・メタン)です。石炭は、木材から亜炭、褐炭、亜瀝青炭、瀝青炭、無煙炭と石炭化が進行していく過程でメタンガスを生成します。石炭には無数の小さな穴があり、その中にメタンガス(CH4)が詰まっています。昔はよく炭坑内で爆発がありましたが、それは石炭の中に詰まったメタンガスが原因でした。このやっかいなガスを、資源として取り出す技術が確立されているのです」
現在、日本国内には275億t、北海道だけでも140億t以上の石炭が存在するという。これは日本の年間石炭輸入量の100倍以上だ。この石炭層を目がけて縦に坑井を掘削し、鋼鉄パイプを通してガスを噴出させる。経済的な面で石炭採掘が難しくなった鉱床でも、この方法で天然ガスが採取できるというのだ。

 「もともとこの技術は、炭鉱での爆発事故を防ぐための『ガス抜き』から始まったものです。かつての日本は、このガス抜き利用で世界のトップを走っていたのです。私の調査では、夕張炭鉱を含む石狩炭田だけで、約400億~800億立方メートルものCBMがあると推定されます。しかも、1t当たりのガス包蔵量が、オーストラリアなどCBM先進国の炭層の1.3~2.5倍。非常に有望な炭田なんです。米国やオーストラリアでは、すでに採掘・利用技術が確立しています。CBMはシェールガスよりも浅い層で採掘でき、環境破壊も少ない資源です。外国のCBM研究者からは『日本ではなぜ国を挙げて採掘しないのか』と不思議がられています」

 中国も’15年までに年採掘量を210億立方メートルにすると表明している。現在、日本国内で生産している天然ガスは年間37億立方メートル。石狩炭田だけでも11~22年分を賄えるということになる。

「CBM利用には、さらに利点があります。まず、在来型ガス田が通常数千mを掘らなければならないのに対し、CBMは300~1000mと浅いため、掘削が容易であること。そして、燃焼時の二酸化炭素や窒素酸化物排出量が石油・石炭よりも少なく、硫黄酸化物はまったく出さないということです。そのうえ、排出された二酸化炭素を炭層に注入して固定化できる。温暖化対策にもなるのです」
CBMはガスとしてそのまま使えるほか、発電にも使える。CBMを燃焼させて発電し、排出された二酸化炭素に圧力をかけて炭層に送ることで、取り出されるCBMの量もより多くなる。送り込まれた二酸化炭素は炭層に吸着し、固定化される。つまり、現地に天然ガス発電所を造ってしまえば、二酸化炭素を排出しない火力発電が可能となるのだ。夕張市のような基幹産業を失ってしまった自治体にとっても、雇用や税収を生み出す救世主となる。

まさに夢のような資源のCBMだが、問題も山積みだ。

※「いちばんの課題は掘削コスト。カナダではボーリング孔を1本掘るのに3000万円で済みますが、日本では1億円くらいかかってしまいます」

もう一つは、調査費用がないということ。日本では、CBMの精密な埋蔵量調査はまだ行われていない。それがなければ、企業もなかなか開発には乗り出せない。
大賀助教は、石狩炭田のなかにある夕張市に開発モデル鉱区を設定している。そのシミュレーションによると、「鉱区面積2.8km2、600m間隔で21本の掘削をする。世界屈指のCBM包蔵量25m3/tを誇る炭層から、約5億立方メートルを取り出せる」という。
 これが実証されれば、資源メジャーや地元の北海道ガス、北海道電力なども放ってはおかないだろう。ところがその実証に必要な資金がない。

 「21本すべてをやろうと思ったら、80億円ものお金がかかります。最初の1~2本を掘るだけの初期段階でも10億円は必要です」
 日本の資源メジャーもCBMに関心をもっていないわけではないが、精密な調査が行われていない現状では、関わりを持とうとしていないようだ。
では、国はどうなのか。経済産業省が’02~’07年に、この事業を「二酸化炭素固定化・有効利用技術等対策事業」として助成したことがある。それで石狩炭田のおおよその埋蔵量などがわかったのだが、以後は国からの本格的開発への支援はない。
「CBMは、新エネルギーや再生可能エネルギーには分類されていません。石炭の中の天然ガスですから、どちらかというと『旧エネルギー』という扱いです。ですから、国からの開発助成がつかないんです。石炭・石油火力よりもずっとクリーンなエネルギーなのですが……」

CBMは、数少ない貴重な国産資源。これからの日本のエネルギー戦略にとっても重要だ。
「近い将来、資源輸出国が自国での消費に資源を回すため、日本は資源に困るはずだと予測しています。実際、インドネシアは石油の輸出をやめて自国消費用に回すようになりました。いつまで資源を外国に頼っていけるかはわかりません。今のうちに、自前の資源に目を向けようと訴えたい」
 現在、オーストラリアの掘削企業が大賀助教の計画に関心を示しているという。国内企業が二の足を踏んでいるうちに、外国企業に日本のエネルギー事業を奪われてしまうかもしれない!?
上記 引用サイト URL
CBMとは

ちょっと昔なら、よく炭坑のガス爆発事故というものがありました。炭坑を掘削していると、何かの拍子で炭坑内のガスに引火して爆発が起こるというものです。
飲み水のボトルに炭を入れておく方がいるかと思います。もしくは、活性炭を原料とする脱臭剤を冷蔵庫に入れる人も多いことでしょう。

炭には、マイクロ単位の微細な孔が無数に存在していて、そこに不純物や匂いのもとを吸着する性質があります。
炭坑でも同じことで、炭坑での石炭はその微細な無数の孔にメタンガスを吸着して溜め込んでいます。これがCBMであり、これがガス爆発を引き起こしてきました。

閉山をしたお陰で、日本には今、膨大な量の石炭が眠っています。その量、全国で275億㌧、北海道だけで140億㌧以上。これは、日本の年間の石炭輸入量の100倍以上もの埋蔵量です。

海外炭が安いというだけの理由で、この石炭が眠っているのです。もったいない!
とはいえ、今さら、国内炭を、火力発電所に使うのも難しいとか。
北海道大学大学院工学研究科で資源システムを研究する大賀光太郎助教は

「石炭火力発電所の燃焼炉は、燃やす石炭の特性に合わせて作っているんです。だから、輸入炭に合わせている今の燃焼炉に国内炭を即使えるわけではないんです」と説明します。

この大賀助教こそが、今、夕張でのCBM開発を推進しようとしている第一人者です。


●海外では当たり前のCBM

CBMは既に、アメリカ、オーストラリア、カナダなどで開発されていて、アメリカでは、採掘する天然ガスの1割がCBMです。
ところが、日本での使用実績はゼロ。
そこが外国が理解できない。
なぜなら、大賀助教の調査によると、夕張地区を含む「石狩炭田」には約400億㎥~800億㎥ものCBMがあるのです。
国内で年間生産する天然ガスは37億㎥だから、この最低の見積もりの400億㎥だけでも、その11年分、800億㎥なら22年分があるということになります。

「しかも、石狩炭田のいいところは、『ガス包蔵量』といいますが、石炭1㌧あたりのCBMの密度が最大で25㎥もある。これは他国の2倍から3倍の値です。だから海外のCBMの研究者は『日本ではなぜ国を挙げて採掘しないのか』と不思議がります」

 CBMのメリットは数多い。

 ★石炭や石油と比べると燃焼時の二酸化炭素や窒素酸化物が少ないこと。
 ★硫黄酸化物は排出しない。

さらに面白いのが、このCBMを採掘し、ガス発電すると、当然CO2(二酸化炭素)が出るのですが、そのC02をそのまま新たな掘削現場のCBMが眠る炭層に送り込むのです。すると、その圧力でより多くのCBMが採掘され、しかも送り込んだCO2はCBMが出て行った後の石炭の孔に吸着される。つまり「ゼロ・エミッション」が可能になることです。
これは大賀助教が既に実験済みです。

上記の意見は2005年当時に表明されたものです 引用site URL

by road7hiro | 2013-04-14 17:10 | 故郷